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資金調達はどこまで社外に任せられるか

資金調達支援

資金調達は経営者にとって重要な仕事


事業に投下するための資金を調達・確保するということは、経営者にとって最も重要かつ大きな仕事の一つ。

このご時世、様々な金融手法が開発されて世に出回るようになり、あらゆる企業にとって、資金調達の幅や可能性はかつてなく広がってきていると言えます。

しかし、選択肢が多岐に渡る余り、複雑さが増してきているというのも事実。

様々な資金の出し手の中から、どこから優先的にアプローチをするかを決め、順番に打診し、資料を準備して、事業について説明し、質問に答えて、条件交渉をして、契約書類を作成して、、、と、資金調達はかなりの手間と時間を取られる業務であることは間違いありません。

「資金調達に時間を取られ過ぎる余り、経営者として本来やるべき、事業を拡大させるための業務に割く時間がなくなってしまう」と嘆く声も、よく聞こえてきます。

更に、財務関連については、専門用語も多く、仕組みも複雑で、場合によっては、失敗したときに取り返しがつかなくなってしまうこともあります。

CFOがいれば、CFOがリードして担ってくれるかもしれません。

しかし、そうでなければ、基本的には社長がリードして進めていく必要があるものです。

 

社外に丸投げできるか


最近はあまりなくなりましたが、かつては当社にも、「私(社長)の代わりに、投資家や金融機関回りをしてほしい」という相談が頻繁に来ていました。

よくよく話を聞くと、「資金調達業務を丸投げしたい」に近い依頼です。

「うちの会社はこんな感じの事業をしているのだが、投資家や金融機関に受けそうな資料を作って、アプローチして、必要に応じて出向いて説明して、契約書を作るところまでやってくれないか。調達に成功したら成功報酬で●%払うので、どうか」と。

ニーズの強さもあってか、また、仕事に困っている人の多さもあってか、世の中には、そのような依頼を受けている財務のアドバイザーなりコンサルタントなりも、少なからずいるようです。

しかし、当社は、基本的にそのような依頼についてはお断りしてきました。

理由は、いくつかありますが、最も大きいのは、

資金調達においては、社長が前面に立たなければならない。(少なくとも、そう見えなければならない)」と考えているからです。

投資家も金融機関も、社長個人を非常によく見ています。

特に、小さな会社のオーナー・創業社長であれば、猶更。

株式を取得するという形で資金を出すにせよ、融資という形で資金を出すにせよ、オーナーである社長がどのような経歴で、どのような人物で、どのような思いを持ってこの事業を行っているのか。

人柄や、事業に対する熱意。

どのような言葉で、どのような表情で、何を伝えようとしてくるのか。

ロジックだけでは説明できない、言葉にするのが難しい要素を、事細かに見てくるものです。

これを社外のアドバイザーやコンサルタントのような人間に任せてしまうと、社長の人柄や熱意が伝わらないことはもちろん、

「やる気がないのではないか?」

「うちに資金を出してほしいと、真剣に考えていないのではないか?」

「”数打てば当たる”でアプローチしているのではないか?」

との印象を持たれてしまい、せっかく事業に興味を持ってくれたとしても、相手のトーンも下がってしまうものです。

更に、来るのがいかにも社外のアドバイザーといった体だと、詰め込む知識量にも限界があり、事業について突っ込んだ議論をすることができません。

その結果、投資家や金融機関側から想定しない質問が来た時に、

「いやー、それはちょっと分からないですね」

といった曖昧な回答をせざるを得ない状況に、しばしば陥ってしまいます。

そうなると、その投資家や金融機関には悪い心証だけが残り、その時点で関係が終わってしまう可能性が高いでしょう。

 

大変かもしれないが、やはり社長が前面に出るべき


 

「資金調達が大変なのは分かります。しかし、基本的にはやっぱり社長が前面に出るべきだと思いますよ。事業のことは、やはり、社長しか語れませんから。」

私たちは、そうお伝えしています。

そしてその上で、「どこまでであれば社長の仕事を引き受けることができるのか」についてお話させて頂いております。

例えば、

  • いつまでにいくら必要なのかを算定する
  • どのような手法で資金を調達するのが最善か考える(株式発行、借入、他)
  • 候補先をリストアップし、優先順位付けをする
  • アプローチの方法について考える
  • 相手方の特性を踏まえて資料を作成・準備する
  • 先方からの質問に答え、資料を開示する(主にメールでのやり取りを想定)

 

特に、株式発行の場合、

  • 現実的な株価(株式時価総額)を見積る
  • 資本政策表やタームシートをドラフトする
  • 事業的な観点から契約書についてコメントする

といったこともあります。

上記のような内容については、社外が引き受けても良い内容だと思っています。

尚、事業計画のプレゼンテーション資料については、社長が自ら作成することを強く推奨しています。

他人が作成した資料を元に話すよりは、社長が自分で話しやすいと思う言葉と流れで資料化する方が、熱量や思いが伝わると思うからです。

当然、入れた方が良い内容や、入れない方が良い内容については、アドバイスしますし、定量的な情報については、作成させて頂くこともできます。

 

お問い合わせはこちらまで。

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